【この本を選んだ理由】
4年ほど前に「STAP細胞」が話題になりました。当時あまり気にもとめておらず、なんとなくSTAP細胞という言葉だけ覚えた気がします。iPS細胞、ES細胞との区別もわからないままでした。先日ふとネットの記事に「アメリカでSTAP現象の確認が」という内容を目にして、言葉だけで中身を理解していないなと考えて本書を読むことにしました。
【感想】
iPS細胞の生成に成功した京都大学 山中伸弥教授を中心として、本書はiPS細胞の可能性と現時点(2011年)の限界を語っている。そもそも、iPS細胞を理解するためには、通常の細胞、ES細胞を理解する必要がある。これらを理解してこそ、STAP現象が如何に驚きの発見であるかが理解できる。実在することが証明できればであるが。
通常の細胞の説明では、細胞膜、核、ミトコンドリアなど中学から高校で習う内容に終始している。そしてDNA、RNAの説明に入ってからが本書の醍醐味である。細胞ば一旦成長する(分化)するともとに戻ることはあるのか(退化)という命題に対して、著名な学者たちが苦労の末、見つけてきた細胞の特性を述べている。
簡単に説明するとES細胞は臍帯血などの中からすでに存在する多能性細胞である。iPS細胞は、分化が進んだ細胞を退化させて(元に戻す)得られた多能性細胞である。
これらの詳細な違い、分裂の可能性、DNAのロック(メチル化)など義務教育の範囲では知ることがなかった現象を平易な言葉で説明されている。詳しさを求めるには少し物足りないと思われるかもしれないが、高校生物に興味を持ち更に大学の専攻を考える学生にはよい書ではないかと思う。
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