2018年9月28日金曜日

ビジネスリノベーションの教科書 西村佳隆


【この本を選んだ理由】

 現職でちょうど、新規事業創出というテーマを与えられているため、何かのきっかけになればと思い手に取りました。少ないリスクで最大の効果というサブタイトルにも惹かれました。
 イノベーションを起こせと社内でよく言われますが、実際「ホイホイ起こせたら、今頃ザッカーバーグだ」と思っていましたので、イノベーションでハンクリノベーションというところに期待を寄せていました。

【感想】

 本書は、まさに上記理由にあるように、「イノベーションを任された」立場の方の一助となる一冊だと思います。任された方のやり方、ストレスに思っているところの拠り所が書かれていると感じました。
 イノベーションは非常にハードルが高く、やろうと思ってできるものではありません。また、0から1を生み出すということは外れる確率も高く、ある意味「博打」と同じようなものだと本書では述べています。私もこの点には非常に共感しています。生み出すことが難しいだからイノベーションではなく既存のものをリノベーションして収益を産もうとするのが本書のテーマです。小さなリノベーションの中にイノベーションが隠れている可能性もあります。
 そのための方法論や考え方、ツールなどが本書には記載されています。簡単にあげるならば、既存ビジネスのターゲットを変えて他の層にもアプローチすることでマーケットを広げる。そうすることで新規投資(開発など)を行わずして、収益を生むことができるというものです。
 Googleの例を本書ではよく見かけます。様々なサービスを次から次へと創出するGoogleの経営になぞることで説得力を増しているのだと思います。
 その中で特に印象に残っているのは、Google経営陣は自身が経営判断を誤る可能性を認識しているというところです。日本の企業にはこれはあまりないところだと思います。日本の経営陣はおそらく、今まで自分たちがやってきかことは正しい。この経験があれば企業は存続できると考えているのだと思います。これに対してGoogle経営陣は自分たち旧来の人間のやり方(成熟したビジネス方程式)では新しいことは起こせないと自己認識しているというのです。
 新しい考え方を潰すのは経営陣、上司など旧来の考え(よくいえば経験)であるということだと思います。私もアイデアベースで相談を持ちかけたとき、正論の雨あられの中で心を折られたことは何度かあります。そんな時の経営陣のあり方も本書では挙げられています。本来の上司のあり方を説明してくれているので、「だよね」と思う部分も多分にあります。
 既存ビジネスではない新規ビジネスを進める方たちはブルーオーシャンを目指すパイオニアです。様々な冒険はつきものですが、身内から「ダメだ」「無理だ」「考えが足りない」と背中から刺されたらレッドオーシャンに戻り効率化と価格競争でやり慣れて疲弊した戦い方を選んでしまいます。上司の方はこんなこと望んでないですよね。孤軍奮闘しようとする仲間をどう支えるのか。これを考えてみると何かが変わるのかもしれません。





2018年9月2日日曜日

100円のコーラを1000円で売る方法 永井孝尚


【この本を選んだ理由】

 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」に似てるなとおもって手に取りました。特に何か思いを馳せていたわけではありません。単純にどうやって売るんだろおとおもったくらいです。

【感想】

 本書で述べていることはお客様に対して「価格」を提供するか「価値」を提供するかと言うことです。日本は戦後急成長する経済の中で、顧客中心のビジネスを続けてきました。「お客様は神様です」という冗談めいた言葉もあるくらいですから。少なくとも私の職場でも顧客中心思考のようなものは、脈々と受け継がれています。
 本書では顧客は大切だと言うことを述べるとともに、顧客へ提供するモノを適切な方法で届けることはもっと大切だと言っています。例えば、本書に登場する宮前さん(主人公)は当初、日本従来の「お客様は神様」の考えを持って実績を上げてきましたが、新事業で右往左往するなかで顧客の要件を鵜呑みにすることは自社の価値を無くすこと、強みを消すことだと気づきます。
 私の周りのビジネスは、昔の宮前さんと非常に似ていると感じました。おそらく2018年の日本のビジネスは戦後のビジネスの思想からそこまで変わっていないのではないでしょうか。自社の強みを正確に理解せず、他社に負けないなんでもできるモノを求めていないでしょうか?商品開発部への要求は、「他社がこの機能を持っているから追加してほしい、強化してほしい」と他社を追うことばかり考えていないでしょうか?これでは価格競争から脱することはできず、機能・サービスが似ているのだから低価格が強みとなってしまいます。
 本来あるべきビジネスの姿とは、強みを強調し価格競争に陥らないことだそうです。昨年は日本のスマホベンダーの最後の年といってもいいかもしれません。機能で差別化できずに海外の低価格スマホに圧倒され事業縮小、撤退が相次ぎました。もしかしたら販売戦略や顧客への導入ステップを間違えたのかもしれません。ガラパゴスと言われていたガラケーのように日本で生き残る道もあったかもしれません。
 読み終えて、実社会と照らし合わせて何かできることがあったのではないかと考えさせられる一冊でした。

この一冊で iPS細胞が全部わかる 金子隆一 新海裕美子

【この本を選んだ理由】  4年ほど前に「STAP細胞」が話題になりました。当時あまり気にもとめておらず、なんとなくSTAP細胞という言葉だけ覚えた気がします。iPS細胞、ES細胞との区別もわからないままでした。先日ふとネットの記事に「アメリカでSTAP現象の確認が」という内...